2013年5月16日木曜日

焼き肉を安く済ませるルール

焼き肉屋へ行ったらけっこう高くついてしまったという経験は誰しもあるだろう。
もちろん、それなりに値は張るけれどもおいしい肉を出す、という場合もあるが、そういう時に人は「高くついてしまった」とは思わないはずだ。

人は誰しも、期待に対してどれだけのものが返ってきたかによって物事を評価する。
つまり、「高くついてしまった」というのはそんなに高くなるとは思えなかった、もしくは払った分だけリターンがなかったという気持ちから来ている。

払ったほどおいしくなかった、というのはそもそもお店の問題だから仕方がないとして、焼く肉屋に行くとついつい頼みすぎてしまって、最後は満腹なのになんとか頑張って残った肉を片付けるはめになる、という経験をしたことはないだろうか?

私は焼き肉が高くつくのは、胃袋のキャパシティを越えて頼みすぎるのが原因ではないかと思っている。
これにはいくつか原因が考えられる。

1.ついつい定番を頼んでしまう
たいていの場合、カルビ、ハラミ、タンなど定番を頼む。そしてその後、追加していく。この構造は、全員の意思を統一しようとすると時間がかかるが、定番なら良いだろうという心理によって出来上がる。

2.逐次追加してしまう
焼き肉に行くと人は何故か、ずっと焼いていないと気が済まない。
居酒屋などだと、ある程度料理がなくなってから次を頼む。
しかし、焼き肉の場合ある程度焼いて皿が少なくなって来ると次を頼んでしまう。
これによって、総量がどのくらい頼まれているのか誰も把握していない状態が出来やすい。

3.満腹になるまでのタイムラグ
食事を始めてから満腹を感じ始めるまでに、通常20分程度の時間が必要。しかし、上記の逐次注文によって、これを感じ始めた時にはすでに頼みすぎてしまっている可能性がある。焼き肉の時はビールが進むので、食べて飲んで、アルコールで満腹中枢の働きが鈍くなり、より満腹を感じるまでの時間が延びてしまっている事も考えられる。

と、いうわけでこれらを打破するためのルールを考えたみた。
とは言え、厳格なルールを設けて安く済ませたとしても、せっかくの焼き肉の満足度が下がってしまっては元も子もない。
・シンプルである
・焼き肉の楽しみを阻害しない
この二つには留意したい。

こうして出来たルールは以下
1.一人一皿、自分がいちばん食べたいものを頼む
2.皿が空になったらそれぞれ次の一皿を頼む
3.全員追加を頼みたくなくなったら終了

まず、1のルールは最初の定番注文を回避するためにある。もちろん、定番を頼みたければ頼んで良い。被りが嫌なら違うものを頼めばいいし、たくさん食べたいなら同じ皿を頼めば良い。全員の意思を合わせる必要もないので、速やかに決定できる。
ルール2は逐次注文を防ぎ、総量を把握しやすくするのと、満腹感を感じ始めるまでの時間を稼ぐ効果がある。また、一度食べるのをやめる事になるので、注文してから出てくるまでの間会話を楽しめる。
ルール3は当然と言えば当然。実際このルールは何度も試行しているが、たいてい2周目を食べ終わったところで〆に入って終わる。3周目に入るとしても、全員が頼んだ例は皆無だ。

なお、このルールを作るきっかけとなったのは、だいたい5000円弱で収まるだろうと思った焼き肉会に割り勘で7000円近くかかってしまったという経験による。同じ店でこのルールでもう一度焼き肉会を試行した時は、3000円強で済んでしまった。
もちろん、メンバーや状態がまったく同じではないし、そもそもこの私の問題提起に賛同し、ルールに面白みを感じて集まったメンバーによるので効果が過剰に大きいとも言えるが、それでも倍以上というのは驚きだ。

とは言え、もっとも重要な点は、このルールが理屈通りに作用しているかどうか、ではない。もちろん上記の考察も、提案したルールもある程度の妥当性はあるはずだが、実は問題提起をした時点ですでにある程度の効果があり、さらに通常は行わないルール提案という手段を用いる事で、提起した問題はさらに強く定着しているのではないかと考えている。

なお、上記の内容は一度Facebookに投稿し、一定の反響があった。
投稿から10ヶ月ほど経過した今でも、このルールを使っている、効果があったという声が届くことがあるので、blog上にも投稿しておく。


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